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白いラインの先にトゥモロー(ペコ目線:再録)

2009/02/25 [Wed] 23:59
チカチカと青が点滅する歩道の信号。
俺は車が来ないのをいいことにその歩道の真ん中に立ち止まっていた。
車の音は聞こえない。
時折聞こえる学生の笑い声だけが俺を現実に引き止めている。
歩道の白い線の上で俺は痛いくらい首を曲げて空を眺めた。

昔度胸試しをした。
俺はそれをなんとなく思い出した。
ちょっと悪い事をして、昔の俺や友達は喜んでいた。

一歩でたら先には銃弾が行きかうような場所があって
安全区域とその場所には白い線がひかれている。
俺達は安全区域からその線の上に足をのっけては両手を叩いて喜んだ。
だけど、たまにその線を越えて歩いていく人間がいて、
俺はそのたびにそいつらの背中を羨ましくて睨みつけた。

偶然、線から足を越えさせることができて喜んで振り向けば
一緒にいる友達には安全区域にいる俺しか見えていなかった。

早く大人になることや汚く生きることが格好いいと思ってた。
格好つけることだけに一生懸命になった。
それがどんなものかも、格好つけ方もわからないくせに。

俺は安全な場所で友達に背を向けて足の先で白い線をなぞっていた。
誰かにいきなり背中を押されることを怖がりながら。

「おい! ペコ―! さっさと渡ってよ―! 俺達ずっと待ってんだけど!」

呼ばれる声に俺は空を見るのをやめる。
俺の足は白い線から動いていない。後ろには誰も、何もなかった。
目の前にあっきーやみつるが不思議そうな顔で俺を見ていた。

「おいてっちゃうよー? むつみが待ってる!」

「はよこいやー! 車に轢かれんでー!」

俺は白い線からそっと足を離して歩き出す。
白い線を越えて灰色のコンクリートをスニーカーで踏みしめる。
格好のつけ方がわかったら進む道も見えるのだろうか。
車の排気音が俺たちの騒ぐ声に混じっていた。

理由なんかないけれど、歩みだした道の先には
昔の俺が憧れていた、格好いい背中が待っている気がした。
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