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俺達の景色(沢井章之)

2009/02/15 [Sun] 13:48
学校の授業はいっつもおもろない!
世の中にはもっとおもろいことがめちゃんこあるはずなのに!
なんでおもろないことを学ばないけんのか!
俺にきっちり説明できるやつがおったらでてこいっちゅ―話やな!
高校生やからなんか言った日には家の近くの沼に沈めたんぞ!

「あ―あ―あ―! やっと授業終わったわ!」

「あっきー寝過ぎ」

「室岡のやつ最後まで睨んでたよ…」

隣のみつるが俺の心配してるのか眉が垂れてなっさけない顔になっとる。
寝てた俺を心配しているわりにはノートは進んでいないようだった。(ちゃんと受けとけ!)
室岡はうちの学校の数学教師(なぜか体育会系)で俺のこと目の敵にしとる教師なんよね。
俺はでっかい欠伸を1つしてがははと笑ってやった。
みつるは渋い顔。ペコは苦笑いしとった。

俺の名前は沢井章之。
神戸出身! 好きなんは楽しいこととプリンとカレー!
あと通学しよる時に電車で見かける女子高生の…ナントカさん!
(名前は知らん! 喋ったことないし! とりあえず可愛い!)
バンドを始めてのりにのった高校生!(のりにのったって…めちゃんこ寒いな…)

「黒板とにらめっこして勝てるのは千代くらいやろ!」

俺は頭の後ろに腕を組んで、椅子の後ろに重心を傾ける。
ペコの机に寄りかかった。
千代は俺の妹。きっつい中学3年生(可愛いけどな!)
こんなつまらん黒板とおっさんの景色でも寝ずに頑張る真面目な子やね。

「千代ちゃん優秀だからねぇ」

「やらんぞ」

「お義兄さん、何か言いました?」

「豆腐の角に頭ぶつけろ! なんか、こう……ぐちゃってなれ!」

ペコが頬杖ついてにやにやしとる。油断ならん。
こいつはバンドメンバーの不二家美学。通称ペコ。
ベース担当の眼鏡男子(オシャレ眼鏡って何!?)
いつもにやにやしてて何を考えとるかわからん奴!
ノリがいいし、お人よしだからなんか、友達が多いみたいで
3人で街におるとしょっちゅう知り合いに声をかけられとるね!
そこそこモテそうなのに可愛い女の子にデレデレするからすべてが台無しになる男。(残念!!)

「みつるも手だしたら許さんぞ!」

「え、俺? ち、千代ちゃん怖くて俺無理…」

「なんやと!? しばく!!」

「ええええええ!!」

「結局どっちでもダメなんじゃん…だったら俺は手をだして死ぬ!」

「お黙れエロ眼鏡!!!」

ガンとペコの机に椅子をぶっつけてやった! ざまーみろ!
みつるはいかにもコケそうな体勢の俺を心配している。
コケんよ!! って笑ったらこの前はコケたじゃん! と言い返してきた。
こいつもバンドメンバーの望月みつる。うちのバンドのリーダーでギターやね。
頼りないとこもあるけど、夢に真っ直ぐ突っ走ってる青春男。
一生懸命なところがなんとも面白い。(しゃぁないから、おれが面倒みてやっとんねんよ!)
妹のむっちゃんがめっちゃ可愛いせいで、ちょんみり言動やらがおかしい!
結婚するとか言うてるし! 俺も人のこと言えんけど!(でも俺は別に結婚したいとは思わん!)

「CABANAまで電車かー…」

みつるがごそごそとケツのポケットから財布を取り出している。
バンド練習をするスタジオまで、学校からは2駅。
みつるは逆方向なので余計に金がかかってしまう。
初乗り運賃ですんでも積もり積もればええ額や。
はいはい! とペコが手をあげながら俺の耳元ででっかい声をだした。
鼓膜破ける! 治療費払え!

「武やんのチャリパクろう! 3人で乗ればいいじゃーん」

「ぶうううううう! ペコ! それは武田くんに悪いよ!」

「せやで!」

「あいつ今日は部活の後、芙由ちゃんと帰るとか言ってたし、
 長く一緒にいさせてあげたいっていうね。俺のキューピット心なわけで……」

ペコが胸に両手を重ねてにやにやしながらもっともらしく喋るけど
それって逮捕されるんと違うのか。だけど、デートかぁ…

「…ならええか」

「おう! 武やんには後でメールしとくわ」

「えええ!? いいの!?」

「別にデートが羨ましいわけちゃうよ」

「あぁ、まったくだね!」

(2人ともすっごく羨ましいんだ…っていうか…ペコ…綾ちゃんは…?)

みつるの非難がましい視線をスルーして俺は立ち上がった。
2人も笑いながらついてくる。3人でだらだら喋りながら駐輪場に向かった。
もう今から3人でバンド練習することが楽しみで仕方ない。
一体何があるのか。どんな面白いことになるのか。わくわくして脳みそが沸きそうだった。

勝手に武やんのママチャリパクって学校の門の前をぐるぐる回る。
ジャンケン負けたペコがこいで、俺が後ろ座って、みつるがその後ろで立っている。
自転車がフラフラするたびみつるは大げさに騒いでいた。
学校の前の坂道は登ってきた朝よりずっと急な斜面のように見えた。
見える海がちょっぴり明るい緑になってキラキラキラキラ。眩しい。
朝の海がそこそこキレイで夕方の海がキレイなら昼の海はどんだけキレイなのか。
俺は明日の午前中の授業は自主課外授業にしようと決めた。

「おらー! いくぞ!!!」

「ぎゃあああ!! こわっ! め、めちゃめちゃ怖い!!」

「いけいけー!!!!!」

坂道をゆっくりと自転車が走り出す。
そのうちぐんぐんと勢いがついて3人乗りの自転車はこの世で最も早い乗り物になった。
肌を撫でる風が物凄く冷たくて、それでも物凄く気持ちがいい。
俺は拳を空に向かって高々と伸ばし、鬨の声をあげる。

「よっしゃペコ!! 海までいったれえええええ!!」

「おっしゃああああああああ!!! 俺の進化にBボタンはないぜええええ!!!!」

「えええええええええええええ!?」


走れ!!走れ!!!!もっと走れ!!
つまらん景色なんか吹き飛ばすくらいのスピードを俺らなら出せる。
最強の俺らでこの世の果てまで突っ走れ!!
3人一緒におれば何だって楽しめて、何だって出来る。

つまらんくなんかない、最高の景色ならいつでも俺が作ったる!

(その後マジでコケて砂浜つっこんで自転車砂だらけにしたので
 3人で武やんに謝りました。本当すいませんでした)
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