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あのネイヴィーを越えて(章之目線:再録)

2009/03/08 [Sun] 20:42
海の風に毛先がきしきしいうから、俺は脱色して痛みに痛んだ髪が
もうこれ以上痛まんようにと帽子を被りなおした。
階段に座る俺。隣にはひろし(みつるのギターな!)肩にかけてるみつるがおって
ぼんやりした顔で海をジッと見とった。
何見とん?

「海と空の境界線」

「あの濃い青?」

「ネイヴィー」

みつるはわざとらしく巻き舌を使った。

「ネェイヴィー」

負けじと俺も巻き舌ってやった。俺のが巻いてた! 俺の勝ち。
勝敗の基準なんてこの世界のどっこにもないけどな!

「俺はいつかあのネイヴィー越えちゃうね。ひろしと」

「ぎゃはは! マジ?」

「マジ!」

臆病な俺は言葉を続けんで、ただ笑った。
俺は弱虫やから。
なんかこう、怖くてたまらんようになって、それ以上聞けんかった。

『なぁ、そん時。みつるがネイヴィーを越えた時。
 俺はどこにおるかなぁ。
 何年、何十年たっても俺、おまえらの横におるかなぁ。』

中学を卒業してから、ほとんど連絡をとってない友達の顔を思い出す。
その顔が、何や、前に思い出した時よりもめっちゃぼやけてる気がした。
白くて、濁ってて。かすんでて。怖い。めっちゃ怖い。
何年もしたら、みつるやペコや、いろんな友達ん中で
俺はにじむんかなー?
ぼやけて忘れられるんかな?
海の風は味なんかせんけど、めっちゃしょっぱい気がした。
後ろ向きに考えてしまう自分が情けなくなって、
そんな顔を見られたないから、俺は下を向いて顔を隠した。
俯く俺の横で、みつるは勢いをつけて立ち上がる。
みつるは両手を空に押し出すようにあげて、叫んだ。

「boiboi!!はネイヴィーを越えんぜー!」

な、と声をかけられて、俺は俯いてた顔をあげる。
…ぼいぼい??
俺はヒロシとみつるとペコと あのネェイヴィー越えられるんかな。
ずっと皆でおって。笑って楽しんでいられるんかな。
少なくともみつるはそう思っとる。俺とずっと一緒におるって。
だって、boiboi!!には俺も入っとる!

「おっしゃ!! 俺もネェイヴィー越えるわ――!!」

俺も階段蹴りとばす勢いで立ち上がって、みつるの肩に手を回す。
目の前には視界いっぱいの青が広がっていた。
景色の真ん中を走るネェイヴィーを
俺は腕いっぱい伸ばして指差してやった。

待っとれよ! 俺のネイヴィー!
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