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俺の可愛いピンクチューリップ(望月みつる目線)

2009/05/12 [Tue] 20:50
1年3組の教室は若いお母さんやおばさんがほとんどで
お父さんは指で数えられる程度しかいなかった。
その中に男子高校生、しかも3人(1人金髪)がいれば目立つのも当然だった。
俺はシャツをピシッと引っ張って自分の服装をチェックする。
俺の格好はシャツとジーンズ。こういう場ってラフな格好でもいいんだよね?

「す、すいません」

俺達3人は頭をさげながら教室に入っていく。
ジロジロと効果音がつきそうなほどの視線を浴びながら俺達はこそこそと窓側に向かう。
むつみの席は窓から二列め、前の方の席。
勿論、後姿でもしっかりと俺はむつみがわかる。
可愛らしさが後姿からにじみでているからだ。胸きゅん。

俺の声が聞こえたのか、むつみはこっそりと顔を後ろに向けた。
むつみは俺達を姿を確認すると、少し口が開いた。吃驚している。
口を一生懸命手で押さえる仕草がとっても可愛い。
俺達が来ることは言ってなかったもんな。
俺が手を振ると、横にいたあっきーやペコもむつみに手を振った。
ちっちゃく手を振ってそそくさと前を向くむつみ。
嬉しそうな顔をしていた……俺はこの顔を見るのと幸せになる。
やっぱり参加してよかった。(例え後でバレて母さんにボコられても・・・!)

まわりを見回すと俺達だけじゃなく、父親もちょっぴり居心地が悪そうだ。
でもピンとまっすぐ立って、堂々と子供を見ている姿は本当にお父さんだった。
それを見て、俺は真似するようにピンと背すじを正す。
俺がこの場で縮こまる必要はないんだと思えた。
例え、俺がまだたったの15年しか生きていない若輩者で、
社会的地位なんてものはちっともないような男だとしてもだ。
俺はそれでも、むつみのお兄ちゃんで、むつみの父親で、望月家の男であるのだから。

ツン、と両サイドから指が伸び、眉間をつつかれる。
吃驚して左右をキョロキョロすると、2人は俺をみて苦笑していた。

「みつる、眉間に皺よっとんで」

「お顔こっわーい」

2人は真面目な顔を作る俺と反対で、満面の笑みだった。
笑う2人に、俺は笑いながら頷く。笑うと一気に肩の力が抜けてしまった。

(そういえば俺も1人ってわけじゃないんだよな…)

皆もしかしたら、気付かないでいるのかもしれない。
自分はいつも1人だと思い込んでいるのかもしれない。
俺は肩を少し上下させて、もう1回シャツを引っ張った。
ちょっとずり落ちてしまっていたズボンをブルー&ホワイトの
ストライプパンツが見えないくらいに引っ張りあげた。

はぁーい、と手を一生懸命あげる生徒達。鈴木先生がむつみをさした。
ナイス先生! 俺は腰の横で小さくガッツポーズ。

「足して5になるのは1と4と2と3です!」

むつみは算数の答えを鈴木先生に一生懸命答えて、
そんなむつみに、当たりです、って大きな声でいう鈴木先生。
喜ぶむつみに俺達も喜んで拍手する。
こっちを見てちっちゃくピースをするむつみ。俺も笑ってピースを返す。

俺はいつでも君が笑ってくれるように一緒にいます。笑顔でいます。
たとえどんな障害があっても。
それは、俺はむつみのお兄ちゃんだからです。

終わりの鐘がなれば、むつみはノートもそのままに
俺に向かって走りだした。眩しいほどのキラキラした笑顔。

「お兄ちゃん!」

俺の左手には一輪の花が握られていた。
学校に来る前に時間があまって、なんとなく寄った花屋で買ったチューリップだ。
(軽いノリが、本気になって、3人で悩みすぎて少し遅刻しました…)

駆け寄ってくる君に俺からピンクのチューリップを。
花言葉は思いやり。
君に俺の精一杯の思いやりを。
触れた手のぬくもりを俺はずっと守ると決めた。

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