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キラキラした瞳の中の赤いチューリップ(不二家美学目線)

2009/05/28 [Thu] 21:29
花屋で買ったチューリップは1本とかすみ草だから滅茶苦茶軽い。
俺はがさつな人間だから、折れたりしないかなと心配になって
学校につくまで始終チューリップを眺めていた。

むっちゃんのクラス、1年3組の扉は思いのほかドアが低かった。

(多分全部のクラスがこのくらいなんだろう。酷いな…)

俺達はちょっと頭をさげて教室の扉をくぐる。
みつるはなんだか緊張していて、あっきーはなんだろう。
居心地が少し悪そうだ。まぁ、それもそうか。視線が痛いし。
俺は胃腸弱いからプレッシャーや悪口とかでボロックソ凹むけど。
愚痴を喋れるだけ喋っちゃえばそれもなくなる女みたいな性格だから。
あ、今自分の台詞で凹んだ。しょんぼりしちゃう。

むっちゃんはちょっとドキドキしているんだろうか。
足バタバタさせていて、キョロキョロと先生や隣の子を見ていて視線も定まってない。
それでも黒板にすぐ視線を戻すむっちゃん。お母さんの教育の賜物だろう。
俺が1年2組だったときもこんなだったんだろうか。
…すぐに考えるのをやめた。
センチメンタルになると俺は1人っきりになってしまう。
すぐ自分の世界を作って浸ってしまう。

ツンツン、と肩をつつかれて俺はマイワールドから連れ出された。
2人の方をみると、あっきーが笑っている。
俺の肩をつっついていたのはあっきーだ。何?
あっきーの指の先には眉間にがっつり力の入るみつる。
緊張しすぎて顔こわばってやんの。面白くてつい笑ってしまい、肩が震えた。

「みつる、眉間に皺よっとんで」

「お顔こっわーい」

小声で会話しながらみつるの眉間とデコつっついて笑う。
みつるもやっと笑って、気持ちを切り替えるように姿勢と服装直す。
まっすぐ向きなおしたみつるは、優しい目でむっちゃんを見ていた。

俺は少し手持ち無沙汰になって、チラチラ色んなところ(掲示板とか)見ていて、
ふと隣の若いお母さんと目があった。
とりあえず笑顔で会釈する。
聞きにくそうに、それでも好奇心に目を輝かせて、若いお母さんは俺に問いかける。

「父兄の方なんですか?」

あ、やっぱりきたこの質問。俺は笑ったまま軽く頭をかく。
ちょっと恥ずかしそうにする。わざとじゃない、ちょっと作ってるだけ。

「俺は違うんです。今日開校記念日なんで友人の妹の授業参観に
 一緒について来たんです」

「あら、そうなの~?」

なんだか小学校いると懐かしくて戻りたくなっちゃいます。
なんてちょっと高めの声をだして、できうる限り爽やかに笑ってみる。
我ながら外面のよさに反吐がでるけれど、それでもこんな俺はとても便利だ。
どっちかっていうと飾らないで、ぶっきらぼうな一匹狼の方が
ずっとカッコイイ気がするんだけど。
俺はそんな勇気もない。度胸もない。カッコ悪い野郎だなと思う。
それでも満足するしかないこの現状に俺は心底ガッカリする。ガッカリ。

キンコーンカーンコーン

鐘の音は小学校が違うからなのか多少違和感を感じた。
着席という高い声がしてすぐ、むっちゃんはみつるのもとに急いで駆け寄る。
嬉しいのと驚いたのが混ざったようなそんな表情。
みつるとあっきーからもらったチューリップを大事に持ちながら
笑ってるむっちゃんが可愛くて眩しくて羨ましくてたまらなかった。

「ペコちゃん!」

キラキラした可愛い瞳に見つめられている俺。
こんな俺でも、むっちゃんの瞳の中ではいつもよりちょっとだけ
格好良くうつっているんじゃないだろうか。

「お姫様。ペコちゃんからのお花を受け取ってもらえますか?」

むっちゃんは、ふふ、とちっちゃく笑う。
俺はキラキラした小さなお姫様に恭しく花束を渡す。
赤いチューリップ。花言葉はなんだったっけ?

「ペコちゃんどうもありがとう!」

むっちゃんのキラキラした瞳の中には、確かに輝く俺がいた。








赤いチューリップの花言葉<美しい瞳>
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